京町家で大学生の地域交流を
07−04 2007.10.12
● プログラムが採択されました
平成19年度に新設の「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム」
(文部科学省所管)に私の業務で取り組んでいる学生支援プロジェクトが採択
されました。『地域コミュニティによる学生支援方策〜京町家を拠点にした異
世代協同プロジェクト〜』という長いタイトルですが、この取組は、近年は寒
梅館を中心に展開している学生支援センターの様々な課外プログラムや地域連
携企画等、様々な取り組みの延長線上に計画されているものです。
● 大学と学生が町に出て行きます
これまでの大学内での展開ではなく、大学と学生が町に出て、町家で、「子ども」
「大人」「高齢者」という異世代との関わりの中で活動を行なうことによって、
学生のライフスキル(社会性や人間力)を高めていくことを期待するものです。
● その背景
公共心やモラル、社会や組織への適合力の欠損…等、若者を取り巻く現代の社会的
課題の多くは、異世代の共存する「地域社会との関わり」の不足に一因があるとも
考えられます。下宿や定食屋等で学生が町の人との繋がりを保っていた時代とは異
なり、現代の学生の生活実態は「ワンルームマンション」「コンビニ」「メール」
が中心になりがちです。学生にとって、町に住み、様々な地域社会と関与しながら
「先輩」にも「後輩」にも立場を変える経験は重要だと考え、「文化」を継承して
いくことや「社会」を構成していくための一員であることへの自覚を促すという意
味においても「地域による社会教育」の有効性に着目しました。
○町家とは何か
「うなぎの寝床」に例えられる「町家」のある町並みはは上京区の原風景とも言え
ます。しかし、こうした町家の多くは老朽化が進み、居住者も高齢者が多く、改修
等が進みにくくなったり、マンションや駐車場になったりして、景観や居住問題が
生じていたりもします。そうした中、町家の改修や空家になった町家の斡旋等、市
民主導による町家の活用も進みつつある状況です。(写真)格子窓に通り庭におく
どさん・・・、「町家」は、限られた土地を最大限活用して「実用的で、美のある暮ら
し」を実現した京都人の知恵の結集とも言える空間です。
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● 「町家」ではなにがなされるのか?
大学と学生が町に出て町家を借り、地域と連動しながら活動と生活を行ないます。
大学と学生とが運営する町家では、「子ども」「学生」「大人」「高齢者」が出入
りし、世代混合のサークル活動や議論の場が展開される他、学生が「異世代と協同」
しながら、「歴史・文化・伝統産業」等の地域財産を発掘し、現代の生活の中に継承
していくことに関わる文化プロジェクトを展開していきます。
<町家での恒常的取組>
・「町家サークル」(邦楽・伝統芸能、英語、演劇、人形劇、アニメ、京都研究・・・)
・「井戸端会議」(路面電車、地球温暖化、スポーツ特待生、赤ちゃんポスト・・・)
・「季節のイベント」(節分、節句、水無月、年中行事)
<町家を中心にして行なうプロジェクト>
・「面白地図を作ろう」「面白カレンダーを作ろう」
・「京都のわらべうたで遊ぼう」
学生が地域コミュニティの住人として町家で生活し、ルールや慣習を学び、共に実践
していくことで、「地域に関与し、地域に関与された」学生生活を取り戻すことを期
待するプログラムです。
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