久しぶりの休みは雨でしたが。。
2008.5.22
風薫る五月になりました。
この時期になると大田神社(京都:上賀茂)の杜若が目に浮かんできます。
青い色彩が自然の中に一面に広がっていると、ちょっと幻想的な気分にもなりますね。
朝に見に行くと、人も少なく気分良く五月の一日が過ごせそうです。
さて、合唱人が合唱に明け暮れていたはずの?ゴールデンウィークの最中、 諸般の事情もあり、京都にとどまることになっていました。本当に珍しく休 日に時間が出来た(作った)ので、「さてどうしようか!」と張り切って考 えていると、案の定雨になりました。(私は基本「雨男」なので)
もともと遠出をするつもりはありませんでしたが、京都国立博物館に暁斎 の展覧会を見に行きました。京都市内はゴールデンウィーク中大混雑してい ましたが、朝一番に乗り込んだのと観光ルートから外れているためか、わり と人は少なくじっくりと見ることが出来たので大感激でした。
gigokumegurizu暁斎の反骨闊達なエネルギーに満ちた画題や、その迫力、繊細の極みのよう な筆致はやはり現物を見るしかなく、まとまった分量の現物を見ることが出 来、展覧会としても非常に充実した内容でした。
絵画としての圧巻は、びっくりするほどリアルな情念に溢れた幽霊図や17 メートルある新富座妖怪引幕あたりでしょうか。
ただ、中でも私はパトロン勝田五兵衛の娘田鶴(たつ)の追善供養のために 制作された《地獄極楽めぐり図》がとても気に入ってしまい、二回三回とぐ るぐる回って見入ってしまった次第です。若くして亡くなった娘さんが、 「あの世」で懐かしいお祖母さんたちに再会し、観音化粧をして、お釈迦様 の案内で楽しい地獄見物をしてから、生前の品と別れを告げ、天へ上ってい く様を楽しい物語仕立てにしている点が、若い娘を失った悲しみに打ちひし がれていたであろう親御さんへのやさしい心遣いとして胸に染み込んできま した。この絵を見た親御さんは、少し微笑みを浮かべながら「きっと田鶴も 今頃はこんなふうに楽しんでいるのかもしれない・・・」と思われて悲しみを 紛らわされたかもしれません。そのような細やかな気遣いに見ているほうも やさしい気持ちになれるような物語絵でした。
長々といた博物館から出ると何故かカラりと晴れ上がっており、珍しくタイ ミング良く「出町ふたば」の柏餅を買えので、この2点で十分満足なゴールデンウ ィークの休日でした。 kashiwamochi
P.s camera
本当はカールドライヤーの映画も見るべきだったのですが。