アルティ声楽アンサンブルフェスティバルの目指すもの
2008.9.5
本年も祇園祭りの前のやや高揚した雰囲気の中で「アルティ声楽アンサン ブルフェスティバル」を終えることが出来ました。ご協力いただいた方は 本当にありがとうございました。
世界合唱シンポジウムの宣伝を兼ねてホール主催企画として行なわれた第1回 目はともかく、松下耕先生を講師として迎え始めた第2回目からのこの企画は 完全に数名の有志による開催となっています。つまり、主宰団体も助成金もな く、全てを事務局のチケット収入と出演団体の販売協力で賄いますから、手弁 当の上に毎回赤字に怯えながら!開催している訳です。しかしながら、そのよ うなリスクはあるものの、どうしても大所帯の合唱連盟やその他の組織開催で はやりにくいこと、出来きれないことがコンパクトな有志ならば可能なので、 このスタンスを変えていません。「競い合うのではなく!」また「歌いっぱな しになるのでもなく」・・・お互いに聞き合い、学び合い、語り合い、分かち合 いながら、出会いや発見に満ちた豊かな場を提供したいと思って続けています。 音楽が好きで集まった人たちが、お互いにこやかに挨拶出来る文化をこの小さ なホールから発信していくこと…、個々が自立し輝くための努力、合唱そのも ののスキルを高めあう努力・・・、歌い手の興味や世界を広げ、そんな歌い手たち のファン層を増やしていくような努力をしていきたいのです。
新しい合唱文化を関西から発信していくというのが、私の目標でもあります。 アルティの客席を考えるともちろんまだまだ影響力としては小さなものであり ますが、継続して行い、様々な人が出入りすることによって、一定度の文化発 信が可能なのかとも思っています。ぜひとも、このフェスティバルに全国から たくさんの団体が集まり、それをたくさんの方に聞いていただきたいと思って います。今後ともご協力いただけると幸いです。
(来年は7月19、20日の開催です。)
早くも来年のテーマを決めました。
「夏の歌、夏の色~空と海と恋」
テーマは曲を狭く縛るものではなく、選曲にイメージや遊び心を持ってもらっ たり、アイデアを色合いとしてバックグラウンドに落としていただくだけで結 構ですので、たくさんのご応募お待ちしています。藤井宏樹先生、そして信長 貴富先生に来てもらう予定です。今から手帳に書き込んでくださいね。
P.s
本年はやむを得ぬ諸事情から(赤字回避のためにも?)自ら、講習会をしてし まいました。「京都のわらべうた」を子どもたちに歌ってもらいながら紹介し たのですが、特に「下駄隠しちゅうねんぼー」などには、大きな反響が寄せら れてびっくりしました。確かに、音楽の授業でも教えてもらえる「丸竹夷」や 、全国区の「はないちもんめ」や「ずいずいずっころばし」に比べても完全に 消えてしまっています。確かに昔は私もこの遊びが大好きだったのですが、今 の子どもたちは全く知りませんし、どこかで聞いたことも全くありません。久 しぶりに復刻した「下駄隠し」に、たぶん私と同世代以上の人が強烈に反応し、 「久しぶりに聞いて感動した!!」「そうそう、あんな遊びしてたー!」「よ くぞ思い出させてくれた!、テープがほしい」という予想以上の大袈裟な反応 がありました。(見ず知らずの人を含む)
「みやこキッズ」のオープニングとともに、「歌」と生活というもののつなが りを回復できればとも思っています。歌が身近なものとして子ども(遊び歌) やお母さん(子守唄)から歌われること、歌を介して人と人とが解け合うこと、 時代と時代が出会うこと・・・そんなことががたくさんあれば素敵です。