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 「美しき水車小屋の娘」〜コーラスめっせ2015〜

15−3 2015.6.2

コーラスめっせ2015の目玉企画はなんといてもあのシューベルトの連作 歌曲集「美しき水車小屋の娘」の混声 合唱版の演奏会でした。千原英喜先生 がこの歌曲を誰でも歌える混声合唱にアレンジすることを希望され、そのため にドイツ語から日本語に翻訳(超訳)してほしいと依頼されたのです。翻訳そ のものはけっこう難航してしまいましたが、千原先生の編曲が素晴らしく、拙 訳から誰でも 歌えるような楽しい合唱曲が誕生しました。そのため「コーラス めっせ」の演奏会まるまる一つをこの企画のために費やすことに決め、新聞を 通じて公募をしところ140名もの方がエントリーしてくださったのです。
なかには、合唱は久しぶりにする・・・、シューベルトファンだけど合唱は初めて・・・、 という方もおられましたので、「コーラスめっせ」としても合唱の裾野を広げる、 波及効果を作っていく、という意図にかなった企画にもなりました。また、合唱 の演奏前にドイツ語によるリート(抜粋)やクロストークを加えたことにより、 言語と歌の関係や歌曲を立体的に捉え直すことの意味を感じ、アカデミズムの 視点からこの企画に奥行を与えることが出来たように思います。

めっせの様子はこちら

当日の演奏は、客席からすすり泣きの声すら聞こえる感動の演奏となりました。
もちろんドイツ語につけられた曲ですので、日本語にすることの是非もあるで しょうが、少なくとも、品性をそのまま「誰にでもわかる日本語」で歌われた ことにより、ダイレクトに内容の伝わる演奏となったことは間違いがありません。
私の演奏歴にも特筆されるべき、素晴らしい出来事になったと思います。

※とはいえ、前日から過労でまたしても(リンパが腫れ)声が出ず、講習会、 司会もろもろで関係者には迷惑をかけてしまいました。

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