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 エントアール演奏会でみやこキッズも歌う

17−06 2018.1.14

「伊東先生はまさかお母さんコーラスをお振りになりませんよね」と言われ、「私は全ての練習 を見ることは出来ませんので、私のそばで学んでいる者が半分指導しますが…」という条件で、 前身の「エコーフローラ」時代にレッスンを引き受けてからもう15年近くになります。「エン トアール」の7回目の演奏会が珍しく12月にありました。多少の入れ替わりがあったとしても 当然平均年齢も上がっていき、今年の演奏会も一番冷や冷やしたのは山台の昇降でもあったので すが、演奏会のたびにやはり「指導させてもらって良かった」「指導しているつもりが、逆にた くさんのことを教えてもらった、気付かされた」という思いを抱きました。
たまにはクリスマスの曲を演奏したい、というリクエストもあり12月に開催となりましたが、 「秋篠音楽堂」で開催出来たことでホールの響きに助けられ、本番では驚くような美しい声が響 くことになりました。しかし、それに輪をかけて力を与えたと思われるのが、賛助出演した「み やこキッズハーモニー」でした。実は、1回だけの事前練習が流れてしまったために、子どもた ちとの顔合わせは当日ステリハが最初で最後だったのですが、子どもたちが出てきただけでエント アールの面々の顔色が変わり、子どもたちの歌を聞いただけで、歌声に明るさが加わっていきました。
また、演奏会としても、同世代のお客様にとっては孫世代?の子どもたちが歌っているだけで、 涙を流しながら聞いてくださっている方もおられ、この組み合わせが思いの他大きな効用を生 み出していることにも気づきました。改めて「世代を超えて歌を歌うことの喜びや大切さ」、 「歌声が世代や世界を繋ぐことの尊さ」を感じるひと幕でもありました。子どもたちは本番のた びに成長しています。歌うことで、子どもたちの心が豊かになるようにと願って活動しています が、子どもたちが歌うことで、周囲の大人たちの心も豊かになっていくようにも思います。
松波千映子先生には、「クリスマスの鐘の音に」というエントアールとみやこキッズで歌える新 曲をアンコールに書いていただきました。

いつも思うのですが、「上手かそうでないか」という問題ではなく、「何に対してどんな歌を歌 うのか」が重要なのですね。感情をしっかり歌に込めること…、込めたいと思うこと…で、歌は 驚くような伝わり方をします。生きているから歌を歌う、生きていくために歌を歌う。願いを込 めて歌を歌う。心の鏡で歌を聴く…。
エントアールの演奏会は、そんな当たり前のことをしっかりと確認させてくれるものでした。

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