「なにわコラリアーズ」第17回目のコンサート
2011.5.20
10年連続の金賞を区切りとして、コンクールに出場しなくなった「なにコラ」 ですが、5月7日には元気に17回目の演奏会を開催しました。今年は歴代の 演奏会の中でもハードな曲目であったと思いますが、第1ステージに「縄文 (荻久保和明)」、第2ステージに「秋の瞳(松下耕)」、第3ステージには 委嘱新作である「東海道四谷怪談(千原英喜)」(ラストは「アラカルト」) という、どれが終曲に来ても良いようなヘビーな曲目を並べることになりました。
ここには2つのシリーズ企画が共存しています。
「なにコラ~福永アレンジシリーズ」に昨年いったん区切りを付けたので、かつ て良く歌われた男声作品を現在の我々の心境や新しい仲間とともに歌うシリーズ (勝手ながら)を企画してみようと考えました。例えば「縄文」は大学グリーク ラブ全盛の頃、早稲田大学グリークラブや同志社グリークラブで繰り返し演奏さ れた大曲でもありますが、現在はほとんど聞く機会を得られません。反復された 曲目からは出来るだけ離れた選曲をしてきた「なにコラ」ですが、決してノスタ ルジアという意味ではなく活動も20年を射程距離に捉え始めたり、合唱界の変 遷の中で、それらを振り返るのではなく乗り越えることもまた新たなチャンレン ジの一つにもなると思い始めました。来年のこのシリーズは「ことばあそびうた 2(新実徳英)」となります。これもお楽しみに
他方で今年の演奏会では、10周年記念演奏会でも曲を書いていただいた千原先生 に男声合唱の可能性を切り開く「びっくりするような新曲」を書いていただくこと が出来ました。これまた、新しい曲を世に生み出すことの面白さ、作曲家から曲目 についての直接の指導をいただきながら、楽譜から音へと具現していくことの面白 さ、をしっかりと実感することが出来ました。お岩稲荷へ参拝し、作品誕生へ敬意 を払うとともに、幟まで立てての肝入り興行となりました。音楽や芸術は決して美 しい上澄み部分だけを掬い取っているのではなく、恐ろしい部分や魂の奥底の混沌 とした部分を表出したいという千原先生のお言葉とともに、芸達者な「なにコラ」 メンバーでこの曲を初演出来たことは、私にとっても大きな思い出になると思いま す。来年のこのシリーズは「信長貴富先生」への委嘱初演となります。
ともに合唱に出来ること、我々に出来ること、の可能性を探ってのチャレンジです。
「なにコラ」の新しい冒険の旅を始めたいと思います。