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演奏の場面で・・・エントアールエントアール パンフレットより2005年1月(第1回)ご縁があってエントアールの創設手前から指導者として関与させていた
だいておりました。約2年の歳月を経てここに大切な第一歩目の演奏会を共に迎えられま
したことをとても嬉しく思っております。
昨年、初めて参加させていただいた全国大会では、大好きなブストと子供の頃から親しん
だ「手話」を交えたチルコットの曲で素敵なメンバーとともに「ひまわり賞」をいただけ
たことは私の大切な思い出にもなりました。
エントアールの創設に関わり、ともに音楽をすることになって早くも4年の歳月が
流れます。そしてここに第二歩目の演奏会を迎えられましたことを嬉しく思って
おります。何でも一歩目を踏み出すということはなかなか難しく勇気がいるもの
ですが、一歩目から二歩目への歩みは、意外とそれ以上に難しい道のりであるのか
もしれません。歩みの方向に迷いを感じたり、大きな目標と小さな目標の組み合わ
せの仕方、可能性の広げ方と自分達のテリトリーの中で個性を発揮することとの鬩
ぎ合いの中で戸惑いと試行錯誤が続いていたように思います。 ご縁があって「エントアール」と関わりを持ってから、もう6年ほどが過ぎたの でしょうか?あっと言う間の歳月でしたが、その間に着実に歴史が積み重ねられ ていることに感慨深いものを感じます。1月には「なにわコラリアーズ」と共に 京都で「ただたけだけコンサート」の1ステージを務めることもできました。 最近になって、私の環境が変化し、なかなか上手く練習日程が組めない状況が ありましたが、信頼出来るボイストレーナーである山添先生がしっかりとした 指導をしてくださり、早くも3回目の演奏会を迎えられましたことを大変嬉しく 思っています。音楽とはピークを目指す登山のようなものではなく、人生のそれぞれの 道程の中で、その時々の感性で向き合っていくべきものだと考えます。 千原英喜先生の「みやこわすれ」なども、それぞれの世代での様々な思いと 気持ちを抱く曲だと思いますが、それらをそのまま豊かに織り成す音楽が出来れば と思っております。他にも、夢あり、チャレンジありのステージですが、 エントアールの3歩目の歩みをともに楽しんでいただければ幸いです。 2015年5月(第6回)
エントアールと関わりを持ってからいつの間にか10年以上の月日が流れています。
その間、自分自身の人生の中でも様々な出来事や出会い、学びがありました。指導
しているつもりが、たくさんのことをエントアールという合唱団から(もしくはそ
の活動を通して)学ばせていただいているんだということにも気づくに至り、様々
な巡り合わせの妙に感謝するばかりです。 「女の愛と生涯〜千原/みなづき版」
…時々考えます。私たちは歴史の中に生きているのでしょうか、それとも私たちの中に歴史があるのでしょうか。私たちは時代を生きるとともに、体験してきたことの想い出や記憶とともに生きているとも言えます。ですから「時間」は私たちの中にも外にも存在し、それぞれ別の流れ方をしていると言えるのではないでしょうか。
さて、シューマンの名曲「女の愛と生涯」を物語ふうに翻訳し、千原英喜先生に合唱曲にしていただいたうえで指揮をするという貴重な経験をさせてもらっています。このタイトルからは、どうしても女性の幸せが「受け身」であることや、「結婚や出産」に収斂されているかのような古い思考パターンを喚起してしまいがちです。確かにテキストの内容はいかにも世の男性の秘めた願望(先に死ぬ夫を悼んでほしい)すら読み取れてしまいますが、私がこの間ずっと感じていたことは、そのような表面的なストーリーではなく、むしろ、もっと普遍的な「私たちの生と死を取り巻く時間の物語」でした。 |