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演奏の場面で・・・【一般】客演等
2009年7月〜東海メールクワイアー第52回演奏会男声合唱を始めた大学時代、興味を持って自ら買った最初のレコードには 「東海メールクワィアー」の名前がクレジットされていた。大学合唱団で は出せないようなうっとりするような甘いサウンドと洗練された表現に驚 かされ、以後私が男声合唱の奥深い道を歩み出すきっかけにもなったのだ と思う。都築さんから「東海メールで指揮を」というお話をいただいた時 にすぐに思い出したのはあのレコードのことで、20年以上の歳月を越え て自分がその憧れの団体の指揮をしていることがまるで夢のようでもある。
それにしても、男声合唱の痺れるような熱さというものは、どこから来
るのだろうか? さて、私のステージは私に合唱魂を注入してもらった師匠(故)福永陽一 郎のアレンジを当てていただいた。当時、男声合唱団のレパートリー開拓 と啓発のために片っ端から歌曲や混声合唱の名曲を男声合唱にアレンジさ れていた福永先生であるが、「光る砂漠」は、特に注力された作品だと聞 く。当時としては珍しいフランス音楽ふうの煌くサウンドを、力強さと繊 細さを兼ね備えた男声合唱の世界で紹介したかったのであろう。もう一つ は、私からお願いした「日本の笛」である。もともと私は白秋の浪漫主義 やエキゾチシズムに強く惹かれていたのだが、この曲は粋で洒脱で、艶っ ぽくて可憐で、一度取り上げたかった大好きな作品であり、(これはきっと 合唱では男声でしか歌えない!)念願のステージともなる。 チラシを見ると「山桜(光る砂漠)」に「びいでびいで(日本の笛)」・・・、 そうそう男声合唱とは「仲間」だけでなく「花」のためにも歌うことが出来 るかっこいい合唱のことなのだった。「東海メール」はそのように教えてく れている。 2010年1月〜Diligo Musica&Ensemble Mikanierジョイントコンサート
本日、アンサンブルミカニエ、ディリゴムジカという二つの若い合唱団
のジョイントコンサートの開催されます。
さて、この似通った性格を持った2団体が仲良くなり、海を越えて!ジ
ョイントコンサートにこぎつけたことを大変嬉しく思っております。指
揮をさせていただく合同曲には、今を時めく大人気作曲家である信長貴
富さんの最新曲を選んでみました。 2010年2月〜合唱団うぃろう 第1回演奏会関西を中心に活動している私が名古屋の地に大きな縁(ゆかり)を持っ たのはもう3、4年前になるでしょうか。名古屋大学コールグランツ ェの30周年記念の委嘱曲を指揮させてもらったことが切っ掛けだった と思います。その後、矢継ぎ早に東海メールクワイヤーや愛知県合唱祭、 愛知県の講習会なんかでもお世話になり、特に若いメンバーと仲良くさ せていただきました。皆人なつっこく、素直で、前向きで、合唱に対す る熱い姿勢を持っており、私自身も構えず自然体で付き合わせてもらい ました。 そんな彼ら(彼女ら)が、大学を卒業しても歌える場が欲しい、大学合 唱団の枠を超えていろんな人と一緒に音楽に取り組みたい、と作ったの がこの「合唱団うぃろう」です。当然の成り行きで私もこの新しい合唱 団の立ち上げに参画することになりました。うぃろうメンバーは、味も 様々、個性も様々です。その後、ジェネレーションや出身の異なるメン バーも増え、望んだ通り一般合唱団としての必要な要素も整ってきまし た。昨年の合唱祭での微笑ましいデビュー、京都の「アルティ声楽アン サンブルフェスティバル」での熱唱を経て、本日、第一回演奏会にこぎ つけられたことを嬉しく思います。潜在的な合唱力を持っているこの名 古屋の地から、若々しい歌声で日本の合唱界に向けて新しい風を吹き込 む役割を担ってくれればと思っています。 さて、今日の演奏会は嬉し恥ずかしい第一回目の演奏会。バレンタイン デーということで、少し張り切り過ぎたかもしれません。「愛」を隠し テーマに…、新しい合唱団が取り組むには少々プログラムが欲張りな プログラムですが、それもまたご愛嬌。合唱に対しては常にチャレンジ 精神と大らかに楽しみ味わっていける団体でありたいと思います。 作曲家の松波先生からは、新しい合唱団の立ち上げを祝福していただけ るかのように曲をプレゼントしてもらいました。ステージで紹介したい と思います。どうぞお楽しみに。 2011年3月〜佐賀女子高等学校合唱部&女声合唱団ソレイユ合同演奏会
「佐賀女子高校合唱部」&「女声合唱団ソレイユ」の初めての
ジョイントコンサートでご一緒することが出来、大変嬉しく思
っています。 本日もさすがに世界中のたくさんの曲がレパートリーにありますね。 邦人曲としては新進気鋭の作曲家「松本望(フランスへ留学中)」 さんの新曲を取り上げてみました。いずれもフレッシュで熱い演奏 が出来ればと思っています。 2011年10月〜男声合唱団Archer第5回演奏会雪明りの路 〜吉村先生、京都産業大学グリークラブ、アルシェ〜 私が高校2年生の時、京都会館で初めて聞いた「第九」で男声パート を歌っていたのが京都産業大学グリークラブでした。緑のブレザーが 目に眩しく、男声合唱を格好良く思ったものです。その印象が強烈で、 大学に入ってから迷わず「男声合唱団」に入った私ですが、当時の京 都産業大学グリークラブの演奏は惚れ惚れするように柔らかで爽やか で美しいものでした。それから25年以上経つのでしょうか、まさか 私がそのOB団体「アルシェ」の演奏会で客演指揮をしようとは夢に も思いませんでした。卒業後、私が合唱界で活動するようになってか ら声を掛けて貰い、様々なチャンスを与えていただいた吉村先生の引 き合わせによるものだと思っています。あの頃のメンバー始め、先輩 方、それから若い世代を含めて男声合唱の名曲を指揮させていただく ことを大変嬉しく思います。「雪明りの路」終曲は、猛吹雪が去った 後、一面の雪に反射して青白く光る北海道の幻想的な情景を描いてい ます。吉村先生の愛された曲、皆さんと一緒に心を込めて演奏したい と思います。 2012年4月〜アンサンブルミカニエ&合唱団こさじ ジョイントコンサート
『合唱団:小さじ』と『アンサンブル・ミカニエ』のジョイントコンサー
トの開催、おめでとうございます。和歌山と鳥取(太平洋と日本海?)
というかなり離れた地で活動をしている小規模の合唱団同士が出会い、
一つのステージに立ち音楽をする…。そう考えただけでもワクワクし
ますが、同じ場面に立ち合い、合同ステージを指揮させていただける
ことに大きな喜びを感じています。
合唱とは、
「ほかの誰かと心を合わすことの大切さ」 2013年11月〜アンサンブルミカニエ第6回演奏会阪本君と知り合ったのは、彼がまだ今よりほんの少しだけスリムで京都の大学生 だった頃のことでした。強面の雰囲気とは異なり、心の底からの音楽好 きだっ たことは十分知っていたのですが、まさか和歌山に帰って自ら合唱団を立ち上げ るなどとは思ってもいませんでした。 大都会ではないこの地において、一般の混声合唱団を立ち上げ、維持していくこ とは大きな困難の伴うことでしょう。しかし、意欲を持って取り組み、 しかも 委嘱やジョイント、様々な合唱祭への参加等、積極的な姿勢に満ちていることに は頭が下がる思いです。 さて、オフィシャルな文面では初めてカムアウトするわけですが、「いとうけい し」のペンネームである「みなづきみのり」の詩があの宮沢賢治の詩と 混ざり 合って構成されている「アポロンの竪琴」は私の大好きな曲です。すでに千原先 生によって素敵な女声合唱曲になっており、多くの女声合唱団に よって歌われ ておりますが、私はいつか全曲指揮をしたいと思いながら、なかなかチャンスに 恵まれませんでした。このたび混声に委嘱されて、尊敬す る千原先生ご臨席の もと、小さいながらも(指揮者の身体は大きいが)頑張っている合唱団の仲間と ともに演奏出来ることに、とてもわくわくする気持 ちでおります。 この地の持っている海の色や空の色を、それらを吸い込んでいる歌い手とともに 表現し、この合唱団ならでは(仲良しのお友達メンバーも少し助けてく れます ね) の音を見つけてみたいと思っています。どうぞお楽しみください。 2017年12月〜アンサンブルミカニエ第10記念回演奏会桃栗3年柿8年と言いますが、「葡萄の樹」の下で育った阪本君が和歌山の地に蜜柑の 木を植えて10年にもなるのですね。「上手いかどうか」という割とどうでも良い基準 ではなく、「個性的かどうか」という大事な観点に立ったとき、「アンサンブル・ミカ ニエ」は確実に一つの合唱団としての個性を確立しているように思います。これについ てはひとえに「音楽監督が放置することによってしっかり者が育っている」という一つ の成長スパイラルのモデルケースを実現しているように思っています。合唱団の運営は 音楽的な云々ではない部分での苦労と忍耐の連続だと思いますが(そのわりには指揮者 の体重が減らないのが不思議ではあります…)、ミカニエの皆さんには、自分たちの活 動のみならず私が不器用ながらも懸命に取り組んでいるイベントやプロジェクトについて も合唱団を挙げて協力・応援をしていただいています。私のほうが感謝の気持でいっぱい です。 蜜柑の木は確実に育っています。10周年の狩り入れの際には音楽監督の我侭にもより、 京都においてシューベルティアードを開催することになり、私も張り切っています。和 歌山のみかんが全国の食卓に運ばれているように、ミカニエの合唱がぜひ関西や全国の 合唱シーンに進出し、さらなる成長を遂げますように。20年目に向けてのスタートです ね。期待しています。ともに頑張りましょう!!。 2018年12月〜どさんコラリアーズ third concert
時折、私たちの愛する「男声合唱」というものが「音楽」や「合唱」と関連しながらも、やや独立した別のジャンルであるかのような錯覚を覚えることがあります。「白熱して過剰に交わされる薀蓄」「やがてそれを凌駕して爆発するエネルギー」「さらにそれを沈静化させる驚くような美しさ」の三層が順番に訪れるピュアな営みで、味わったことの無い人には決して説明しきれないので、他者からは「どうして男声合唱の人はあんなに熱くて、あんなに必死で、あんなに無邪気なのだろう」と思われることでしょう。 2019年3月〜えちごコラリアーズ ホワイトデーコンサート
時折、「男声合唱」というものが「音楽」や「合唱」と関連しながらも、やや独立した別のジャンルであるかのような錯覚を覚えることがあります。「白熱して過剰に交わされるこだわりや薀蓄」「それを凌駕して爆発するエネルギー」「やがて迎える穏やかな笑顔と抱擁」…これらが順番に訪れるピュアな営みで、味わったことの無い人には決して説明しきれないので、「どうして男声合唱の人はあんなに熱くて、あんなに必死で、あんなに無邪気なのだろう」と思われることでしょう。 強くあれ、美しくあれ!〜「こしひめ」
では、女声合唱の美しさはとはなんでしょうか?私は、やや無邪気なところが可愛い男声合唱に対して、女声合唱の美しさとは個々の芯の強さが支えるものだと感じます。声について、言葉について、舞台表現について、常に個々が持つ逞しい意志や覚悟のようなものがその立ち姿を凜と映えさせるのだと思っています。 2019年10月〜東海メールクワィアー第62回演奏会
(私が指揮をしております)「なにわコラリアーズ」が、「ただたけだけコンサート」(現在vol5まで進行中)を始めたのは、ノスタルジーや蘊蓄にウェイトが行きがちだった多田作品全体に、声楽技術とオーソドックスな音楽観を持ち込みながら新鮮な音楽作りをしたかったからですが、多田先生は、「なにわコラリアーズ」の演奏をよく映画に例え、「細部に至るまでアングルやカット、カメラワークが感じられる…」とおっしゃってくださいました。多田先生は若い頃映画監督を志しておられたことがあったようです。実は私も大学時代には年に365本の映画を見ながらポストモダン芸術論を学んでいた経緯があり、共通のボキャボラリーの中で小津安二郎や溝口健二、成瀬巳喜男、山中貞雄の映画技法を音楽に結びつけながら演奏談義をさせてもらったものでした。 2019年11月〜TFM合唱団 演奏会
ふと思います。 2019年12月〜アンサンブルミカニエ第11回演奏会
よく言うことですが、「個性的かどうか」という大事な観点に立ったとき、「アンサンブル・ミカニエ」は確実に合唱団としての個性を確立してきているように思います。これについてはひとえに「音楽監督が、焚きつけるだけ焚きつけた後に、酵母を入れてしばらく放置することによって勝手に合唱団は発酵している」という成長スパイラルの一つのモデルケースを実現しているとも言えます。その傾向は近年ますます際立ってきており、本日のプラグラムを見ても、松本望先生にお願いしての「合唱ポップス」、千原英喜先生の発案を受けての「メンデルスゾーンの無言歌を有言歌に」、そしていまだにその定義も何もない「合唱狂言!」…というアカデミズムとエンターテイメントを混ぜ合わせたような独自の路線には、合唱団の強烈なカラーとともに唯一無二性をも感じます。 2020年10月〜アンサンブルミカニエ第12回演奏会
このコロナ禍の中「アンサンブル・ミカニエ」は何とか演奏会にこぎつけることが出来ました。もちろん、好き放題が出来た去年の「合唱狂言〜サンタクロースの巻」を思い出すと、今年はいつものようにはいかず、感染抑止に努め細心の注意を払いながら…、ということになります。練習には大きな制約がかかったり、なかなか踏み込めなかったりもどかしい思いをしたことも多かったと思います。このような時勢の中では、優先順位を考えて、我慢することも必要でしょう。しかしながら、継続的に明かりを灯しながら、低速度でも動いておおかないといけないこともあるのだと思います。 |