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演奏の場面で・・・寒梅館サマーコンサート

2007年7月〜同志社コールフリューゲル・サマーコンサート〜

どんぐり どんぐりと山猫 yamaneko

私が合唱に出会ったのは高校時代のことでしたが、私が演劇と出会ったの は実は小学校時代でした。小学校6年生のときに初めて創設された演劇部 に入り、たった一度だけあった七夕全校集会という発表の場で、主役 (「未来の七夕」という子どもたち手作りのシナリオで「ひこ星」役) を務め、校内の人気をさらった?ことは私を取り巻く隠された真実= 「驚くべき笑い話」でもあります。以後、合唱のジャンルにのめりこむ ことになり、演劇とは縁遠い世界で活動しておりましたが、数年前から 演劇に関与した合唱に取り組む機会に恵まれ、我々合唱人が演劇人から 学ぶことの多さを思い知り、何とか演劇的な要素と合唱を組み合わせら れないかと思いながら今回の「合唱劇」に辿りついた次第です。

(私を含め)わりとナイーブでシャイな人が多い合唱は、「人前で何かを 表現する」ということにもっと自覚的になる必要があると思いますし、 「大勢の中に隠れるのではなく、一人のパフォーマーとして自信や自発 性を持たねば」ならないでしょう。

もちろんそれぞれのジャンルに特徴があるものですが、今回の「合唱劇」 にはその双方の要素が良い具合にブレンドされていると思うのです。演劇や 合唱というジャンルを越えて、自分の中で熟成していくものを感じたり、 それを人前で表現していく感覚を共有することによって、 発見と感動に満ちた取り組みが出来たとも思っております。

また、今回特筆すべきことは、この発表の場が「同志社コールフリューゲル」 のサマーコンサートの第3ステージでもあるということです。近年の大学の クラブ・サークル活動は、その頑張りにも関わらず、同じ趣味の友人たちの間 で完結してしまいがちです。地域社会に関心を持ち、子どもから大人までの様 々なジェネレーションと関わることでたくさんのことを学んで欲しいと思いま した。また、彼らの頑張りをいろんな人に紹介し、応援もしてもらいたいとも 思いました。このような試みには、乗り越えるハードルがたくさんありました が、作品の許諾をいただきました萩先生を始め様々な方に感謝申し上げたいと 思います。今日の発表が、少しでも多くの人にとって微笑ましい温かいひとと きになればと思っております。

2008年7月〜うたとお芝居のワークショップ終了公演〜

チェロ セロ弾きのゴーシュ 三毛猫

昨年の「同志社コールフリューゲル」とCLAP一般参加者とのジョイント企画 「合唱劇:どんぐりと山猫」の成功に導かれ、本年は同じく宮澤賢治の原作 に林光が書き下ろしたオペラ「セロ弾きのゴーシュ」を演奏することとなり ました。短編と長編のボリュームの違いや合唱劇とオペラ(「こんにゃく座」 のために書き下ろされている)という形式の違いもあり、本番への道のりは 平坦ではありませんでしたが、二口さんを始めとする演出陣の全力のサポート と、参加者全員の熱意からようやく一つの形になろうとしています。
この企画はたんに「大学」と「地域」とを結ぶだけでなく、世代を超えて一つ の物事に取り組むことの素晴らしさに満ちています。また、人生のそれぞれの 途上にいる人々が力を合わせて演じ歌うことにより、「表現」とは結局人と人 とを取り結ぶことではないか・・・ということに気付かせてくれます。この企 画が多くの人々の愛情に支えられ、多くの人々に喜びを届ける息の長いものに 発展していくことを願います。

2009年7月〜同志社コールフリューゲル・サマーコンサート〜

yamaneko 注文の多い料理店 yamaneko

同志社大学の寒梅館(学生支援課)が主催し、今年で三年目を迎える「市民 参加型合唱劇」ですが、毎年その練習の中で決して他の活動では味わえない ような新鮮な発見と驚きに満ちた感動を得ることになります。「合唱劇」と いうこの不思議なジャンルの魅力は、本当に一度かじってしまうと病み付き になるようなもので、本当に教務深く、楽しく面白いのです。言葉と同時に 身体が動き出す瞬間、言葉からメロディーが紡がれ、歌が生み出される瞬間、 逆に音楽や動きから言葉の説得力のようなものが導き出されるプロセス、 そういった「言葉、音楽、身体、表情」が渾然一体となって互いに影響力 を与えながら形作られていきます。演劇や合唱というジャンルを超えて、 自分の中で熟成していくものを感じたり、それを人と共有していく過程で、 一体感や連帯感を含めた表現することの感動が生まれるのです。奇しくも 三年連続で宮沢賢治のテキストを使った作品を並べることになりましたが、 宮沢賢治の世界が元から宿しているファンタジックな要素が、合唱劇という あいまいなジャンルの中で際立って光っているように思いました。
また、今回特筆すべきことは、この二年間と同じくこの発表の場が「同志社 コールフリューゲル」のサマーコンサートの第3ステージであるということ です。近年の大学のクラブ・サークル活動は、その頑張りにも関わらず、 やや小さなコミュニティの内輪で完結してしまいがちです。彼らの頑張りを 紹介するとともに、彼らが地域社会に感心を持ち、子どもから大人までの 様々なジェネレーションと関わることでたくさんのことを学んでくれたらと 思いました。今日の発表が、少しでも多くの人にとってほほえましい温かい ひとときになればと思っております。

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