松江にて06−04 2006.12.302006年度の私の合唱生活はなぜか松江に始まり松江にて完結したように思えます。 そして、宍道湖という非常に美しくしっとりとした湖(雲が垂れ込め、霧が立ち上り、 月明かりをすっぽり飲み込む不思議な情趣をもった湖)が、何だか誘惑的な匂いや雰 囲気を湛えて存在していることが私には大きく胸に残った年ともなったのでした。
1月にはプラバ室内合唱コンクールの審査に寄せてもらい、アンサンブルレベルのあ
まりの高さに唖然となりましたが、年末はそこで親しくなった「ピュア・ブルーベリー」
の練習をさせていただくために訪問することになりました。 帰りは雪になりましたが、思い立ってわざわざ宍道湖を見るためだけに一畑電車という路面 (湖面?)電車に乗り、出雲に出て(出雲大社に行った訳でもなく)出雲から京都へと帰り ました。というのも、1月に来た時には出雲空港から来ており、車に乗せてもらって往復し たのですが、その行き帰り(夜と朝でした)の宍道湖があまりにも美しく、どうしてもその 風景に浸りたいと思ったからです。 そして、ふと思い出しました。1月に来た時からこの湖を見たことがあるような気がしてい たのですが、確かにその通りだったと。小学生の家族旅行の折だったでしょうか?ある春休 みの夕方に出雲から松江に向かってこの電車にのって、宍道湖に夕陽が差し込む光景を見た ような気がしています。(そういった時も私はいつも父の側におりました。中身は思い出せ ないのですが、父親が宍道湖について何か語っていたことも記憶に蘇って来ました。) 慣れ親しんだ京都の嵐電、それから鎌倉を走る江ノ電からの風景は大好きですが、一畑電車 も2両しかない電車の車窓いっぱいに宍道湖を捉えており、その情趣は今年という年を噛み 締めて締めくくるに相応しいものがありました。私はわざわざ宍道湖を見るためだけに2、 3人しか車両にいないこの電車に乗り、曇天が似つかわしい宍道湖(雪が散らついていまし たが)をずっと眺めながら夢と記憶との狭間を漂っていたのでした。重たく低い雲から時々 光のもれる湖面の反射が催眠術のように私の心に作用し、いろいろなことのあった一年の痛 みや傷を修復してくれるかのような心地よさを感じたのでした。
・・・この景色はいつか見た。そして、また見る・・・。 ・・・宍道湖のどんよりとした情景を胸に焼き付けながら、夢見るように瞳を閉じた2006年 の年末でした。 |
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