【全日本合唱コンクール】について13−4 2014.1.5
全日本合唱連盟のコンクールカテゴリーが変更になりました。しかしながら例えば、
今回のカテゴリー改定は誰にとって有利になったり不利になったりしたかという問
題は意味が薄く、問い詰めるつもりはありません。一時的なレベル低下という声に
ついても、改革に馴染まないだけで、まあ時間の問題なのかもしれません。しかし
ながら、その先にどんなビジョンを持って改革をしたのか、ということを問いたい
とは思うのです。大学カルチャーではなくユースの合唱団を育てたいという意思が
あってのことなのか、女声、男声という合唱団のカテゴリーを日本音楽シーンの中
にどう位置付け、どのように育てたいのか、…そういうことが語られなければなり
ません。例えば、教会ごとのカルチャーや地域ごとの芸術文化的取り組みがあるわ
けではなく、学校教育や大学カルチャーに依拠してきた合唱活動に対して、ユース
というカテゴリーを開発していくためには、ジュニアを含めてJリーグ初期のような
抜本的改革を伴わなければならないのではないでしょうか。また、課題曲が同一で
あるのに人数だけで区分わけすることで、区分に分けた意味合いを確認するために
審査ポイントをどのように据えるという態度が表明されないといけないのではない
でしょうか。…等々、批判や一方的な文句ではなく、参加者も合唱連盟組織の一員
なので、ともに考えていくポイントが多数あると思います。しかし、そのためにも
何より連盟組織として、コンクールをすることの意義やその先のビジョンを示す必
要があるように思います。
また、この場を借りて、一つ宣伝をさせていただきます。年末に毎年300人もの大
学生を全国から集め、とっても楽しくためになる指揮者指導者合宿(大阪:12月29-30)
を行っているのです(随分浸透してきてくれました)、次年度からは、その取組か
らスピンアウトする形で発想し、指揮者協会の主催で合宿型の「第1回学生合唱コンベン
ション」を開催します。大学カルチャーを信じ、そこを活性化させるための楽しい
取組にするつもりです。学生指揮者限定にすることで合唱連盟の「大学・ユース部門」
とは差別化が図られるでしょう。大学生たちが大学のプライドをかけて知恵と工夫の
結晶としての取り組みを見せてくれること、戦うのではなくともに学び、分かち合い、
仲良くなってくれること、そしてその先にあることとして、何といっても合唱活動が
就職活動に有利になるようなアピール場面にならないだろうかと思うのです。合唱活動
は全員がレギュラーであり、各自がばらばらに持っているバックグラウンドや個性を
言葉によるコミュニケーションを通して一つの方向に合わせ、他者に対して表現して
いく芸術活動です。社会人としての基礎素養につながるのは言うまでもないことなの
です。一生懸命の取り組みを社会にアピールし、大学で合唱活動をしっかりやってい
たのなら大丈夫というイメージ作りにつなげていきたいと思っているのです。合唱
カッコいいと思われなくてはなりませんよね。
私は「一般の部」については、カテゴリー別開催を提案しつづけて10数年です。毎年
カテゴリーを変えて、今年は「ロマン派のコンクール」今年は「フォークロアのコンク
ール」今年は「〇世紀のキリスト教音楽をテーマにしたコンクール」、今年は「昭和の
邦人作品を歌うコンクール」…、そんな開催はどうでしょうか?年によって出たり出な
かったりすれば良いし、勝ち抜きや一番を決めるコンクールではなく、ともにワークシ
ョップと連動させながら、少しずつポイントやバックグラウンドを学び、様々なアプロ
ーチ方法を試すフェスティバル式のコンクールで良いのではないでしょうか? |
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