本を読むこと19−03 2020.1.12
合唱指揮者協会のイベントである北とぴあ合唱フェスティバルの帰りに、清水敬一先生から手渡された(いや、購入した)ご自身の「合唱指揮者という生き方」という著作を読んでいたのですが、ラストにある「人生で最も影響を受けた11冊の本」というコーナーを見て以来、ずっと自分の中では何だろう?と思っていました。清水先生は恐らく60歳という年齢の節目で選出されているのだと思いますが、一冊は確実に重なるなあと思います。
すでに、何度か書いてますが、「合唱指揮を勉強したいのですが…」という学生には「君はドストエフスキーを読んだか」ということにしています。別に合唱指揮にドストエフスキーが必要というわけではありません。
さて、今年のベスト読書は「火星年代記」につきます。
どう言ったら良いか分からないのですが、もし、これが自分が書いた小説と言えるとしたらどんなに良いだろうと思うものでした。
その他、タルコフスキーの「惑星ソラリス」の原作である「ソラリス」の新訳を読みました。原作はポーランド語のはずですが、これまでのものはソビエト版(ロシア語)からの訳出だったようで、検閲による大きなカットがあったようです。そもそもきっちり読むのは初めてなのですが、新訳をそのような解説付きできっちり読めたことで、原作者レムとタルコフスキーの論争の意味が非常に良く分かりました。なるほど、映画は確かにレムの意図とは異なる…、しかし、どちらかというと原作者としては、自己の意図とは反する反応(浅薄なものではなく、他方向へのベクトルという意味で)があったと思えたほうが自作の多義性を含んだオリジナリティを誇れるのに、と思いました。 P.s あとはヴォネガットとか、ノーベル賞のオルガ・トカルチュクの作品とか、チェーホフの新訳とか、村上春樹の文庫になったものとか。 |
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