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JCDAはこれから何をなすべきか
       〜総会・JCDA研 修会・懇親会に参加して〜

初参加ながら全体に楽しい時間と感じましたので準備していた だいた方々 に感謝しています。私が帰りの新幹線で反芻しながら感じたことは3点でした。

1)合唱活動における指導者の意識と役割
当たり前のことながら、指導者としての知識やスキルの習得、 現状に 甘んじない向上心やより良い指導に向けた切磋琢磨は欠かせないことだ と感じました。結果のための造形や訓練の手管を磨くだけではなく、 豊富なバックボーンを持つ指導者が歌い手に合唱の魅力を感じさせる ことは間違いないでしょう。

2)合唱で何が出来るか
「合唱で世の中を変えたい」と言うと、たいてい「何があった?、まあ 力むな」と心配されたりするのですが、自然なスタンスで意識的に言い 続けようとしています。取組みについて合唱連盟的な組織と の棲み分け や役割分担があるべきでしょうが、例えば、学校音楽の中における合唱 の扱われ方、合唱指導者の指導力の底上げ、というようなことが議論さ れても良いのかもしれません。国家政策として音楽や合唱に力を入れる ことで政治経済の貧困が心の貧困に繋がることを防ごうとしている国が あると聞きます。「言語を伴う」ことと「2名以上が集まって練習する」 ことが特徴である「合唱」の「教育現場での効用」につい て考えること が、普及や活性化への近道であると思っています。つまり(学校)教育 の荒廃や困難性が取り沙汰されている中で、「合唱(指導 者)に何が 出来るか」という視座や課題を協会として取り上げることがあっても良 いのではないでしょうか。

3)地域と東京(本部)
人口の相当割合が東京もしくは東京通勤圏に偏りを見せている 現在の社 会構造の中で、多少それに抗った施策や工夫というものがあっても良いは ずです。これについては、ひとまず他力本願にせず、関西から(関西に来 たくなる取組みを)発信していくことが肝要と思っています。2重構造に 向かう要素はなく、(中央集中的要素を補正するため の)全体の活性化 に向けた遊び心伴う揺さぶりということですね。

2014年 日本合唱指揮者協会機関紙への寄稿
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