京都府合唱祭~大階段にて信長さんと
2007.6.21
毎年合唱祭には力を入れ、様々な工夫のある京都府合唱祭ですが、今年は京都駅の大階段を 使い、呼び込みのための野外コンサートを行いました。そして、そのオープニングを「みや こキッズハーモニー」が飾ることとなりました。子どもたちを九条にある京都テルサに集め て、浴衣に着替えさせ、京都駅まで引率したのですが、親御さんにお世話になっているとは いえ、好天の空の下、細い京都の路地を車に気をつけながら30名の子どもたちを移動させ ることは、けっこう大変なことですねえ。それだけですっかり疲れ果ててしまっていました。 それでも、子どもたちは浴衣を着ているだけで近隣の方からも微笑ましく見送られますし、 京都駅に近づくにつれ、外国からの観光客のカメラの格好の被写体となっており、ちょっと 嬉しそうでもありました。
この時期、各地で合唱連盟主催の合唱祭が行われています。
様々な工夫があるに違いないのですが、連盟という組織でものごとを行うと、どうしても 加盟費を払っている構成団体に均等に演奏機会をもってもらうことや、ボランティアでの 膨大な裏方事務仕事に追われてしまって、合唱祭を貫くメインのコンセプトや、誰かがイ ニシアチブを発揮しながら何かを強烈にアピールしていくことは難しいように思います。 しかしながら、私たちにとって重要なことは、いろんな合唱を聴き合い成長していくこと に加えて合唱の裾野を広げることではないでしょうか?合唱祭に集まるお客さんが、家族 や身内、合唱団同士であったならば、いくら盛り上がったとしてもどうしても合唱の裾野 は広がっていきません。その意味では、ホールというのは閉ざされた空間ですから、思い 切って人通りの多い「京都駅の野外で演奏をする」というのは非常に良い試みだったので はないでしょうか?しかも今回は耳なじみのある短い曲に統一されていて、気持ち良く進 行されていたように思います。合唱は人の声ですから風とマイクの関係が非常に難しくも ありますが、演奏の質に拘るよりも、一般の方々、特に合唱ということで興味を持って集 まって来られるのではないような方々に、何気ない日常の中で楽しい歌声を聴いてもらった ことは大きな価値があったように思います。
大階段
「みやこキッズ」は大階段に吹く風に苦しめられていましたが、浴衣での登場には拍手と 感嘆をもって迎えられ、わらべ歌、唱歌を歌うと多くの年配の方々が一緒に歌ってくださ いました。その後のたくさんの合唱団の声にも多くの一般の方々が耳を傾けられ、心地よ い夕暮れのひとときを過ごしてもらうことが出来たように思います。
今年の京都合唱祭の目玉ゲストは今を時めく信長貴富先生でした。私も信長さんの曲や 合唱に対する考え方・感性が大好きで、もともと、「新しい歌」の楽譜が出るや、飛び ついて学生合唱団のジョイント合同で演奏させてもらっておりましたし、昨年の東西四 連合同では初委嘱(「饗宴の歌」)をし、以来親しくさせてもらっています。きっとこ の京都合唱祭の雰囲気は初めてだったのではないでしょうか?京都の大階段の舞台をた いそう興味深く受け止められていたご様子でした。翌日は「葡萄の樹」による「一番は じめは」「すみれの花咲く頃」(ともに信長貴富編曲)を聞いてもらい「子どもと一緒 に歌って遊ぼう」という私のセミナーがあったのですが、それも見てもらいました。一 緒にハンドサインをされていた信長さんの姿が印象的でした。
京都の合唱祭を通して、現在予定されている委嘱曲(来年一月に名古屋で私が指揮しま す)に多くのインスピレーションを与えられたとおっしゃっており(そのためにせっか く出来た曲を書き直すとさえ)、どのような印象、インスピレーションであったのか 非常に楽しみが膨らみました。
祭法被
P.s
私は大階段の委員ではありましたが、祭法被を来て子ども連れてきただけでどっと疲れ、 あとは役立たず状態でした。いつものように連盟のベテランの裏方さんの頑張りに支え られておりました。来年くらいからは、もう少し役に立たねばと考えております。子ど ものセミナーでは、今回は創作手遊び歌に加えて、OHPを使った絵描き歌(なつかし い)を取り入れてみました。聖母学院の中高生がたくさん来てくれて盛り上げてくれま した。ありがとうございました。