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 全国アンサンブルコンテストin福島

12−07 2012.4.5

福島県の主宰する「全国アンサンブルコンテスト」の審査をしてきました。
第1回大会には「なにわコラリアーズ」のピックアップメンバーも出演し、 温泉旅行だかコンテストだか分からない楽しい日程を過ごした記憶があり ますが、昨年は震災直後ということで中止になっています。
しかしながら、震災から2か月の大変な状況の中で多額の開催費用のかかる 今回の開催を決断した福島県は、合唱の持つエネルギーへの理解に満ちた真 の合唱王国と言えると思います。そのこと自体に感動しました。

さて、「合唱の基礎はアンサンブル」「合唱はアンサンブルそのもの」 というような言葉を私自身良く使いますが、今回のアンサンブルコンテ ストでは、それが具体的にどういうことなのかということを考えさせら れる機会にもなり、大変有意義なものになりました。もちろん上記に対 する答えが明確に言葉で用意されているというわけではないのですが、 私たちは合唱の中でともすると人に頼って歌ってしまっていることが 多いようにも思います。それは指揮に頼って歌うということも含めて です。しかしアンサンブルコンテストのような場面では、少ない人数で 歌うことにもなり、ともすればパート一人で担うとか、二人で担うとい うようなこともあり得ます。
私たちはまず、一人一人が自分の人生を賭けて、自分の育んできた歌を しっかりと歌わないといけないということなのですね。
しかし、同時にアンサンブルでは自己主張、個性を発揮するばかりでは なく、よく耳を使って人の声を聞き、人の個性を受け入れ、生かしてい く作業をしていかねばならないわけです。「生き、生かし合うこと」…、 それがアンサンブルということですね。その大会が震災の傷を受け、復 興に向かって力を合わせている福島の地で繰り広げられていること、福 島の若者たちが歌い、全国の若者たちが福島に集い「共に歌っているこ と」に大きなメッセージ性を感じることが出来ました。

アンサンブルコンテストでは素晴らしい演奏が相次ぎましたが、上記を 体現しているということにおいて私の琴線に触れたのは、福井県の「麻 生津小学校」のメンバーでした。子供たちが誰でも天才であることは子 供の合唱を持つ私には十分に分かっていることですが、その天武の才能を 目一杯引き出している指導者には敬意を表したいと思いますし、上手であ るかどうかということ以上に、指揮者もなく6人で歌う彼女らが上記の 「生き、生かしあう」アンサンブルの原点を具体的な形として私に教え てくれたことは間違いありません。

P.s
4日間の開催になりましたので、審査員に纏わる楽しいエピソードは山 盛り仕入れてきましたが、ここでは伏せておくことにいたします(笑)。

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