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 ブギ、大学生とのジョイントコンサート

10−09 2010.7.30

自分のことを自分で言うのは難しいのですが、合唱指揮者としての 自分はわりと何にでも興味を持って選り好みもせず、(自身の資質 も考えないで)どんな仕事でも引き受けているように思います。 (オケ付き大合唱、室内合唱、邦人曲、外国語曲、アカペラ、ピア ノ付き、楽しい曲、宗教曲、合唱劇、お母さん合唱、PTAコーラ ス、小学校へのわらべ歌紹介、中高生のコンクール指導、、、)お 陰でいろんなことを経験することが出来ましたし、他ジャンルを知 ることで初めて見えてくるものや、繋がったことも多数あったよう に思います。自分の資質を省みず引き受けたことで、自ら選択する だけだったら出来なかったような経験も出来たように思います。 もちろん、それでもその中で得意不得意のようなものがあったりは するわけですし、いつまでもたくさんのことをやっていく時間はなく、 今後はその中から何を選択していくかということも重要になってく るのでしょう。ただ、学生と一緒に演奏するといつも「やはり学生 を指揮している場面はなかなか自分らしいかなあ…」と思ったりし ます。年齢が離れてきましたのでどうかなとも思うのですが、離れ たことで見えてくることも多く、やや客観的になれることで落ち着 いてアドバイス出来ることも増え、「スタートがそこであるから」 「ミッションがそこであるから」という意識も合わさって、大学の (ことにジョイントコンサートのような緊張感ある)演奏シーンで は自分の居場所を強く感じることがあります。

今年の前期は二つの大きなジョイントコンサートを指揮することに なりました。
6月の「東西四大学合唱演奏会」(早稲田大学グリークラブ、慶應 義塾ワグネルソサエティー、関西学院グリークラブ、同志社グリー クラブ)では4年ぶりに合同指揮(京都コンサートホール)をさせ てもらい、昨年「オール新作コンサート」で初演(なにコラ)する ことになった松本望さんの「天使のいる構図」を再演することが出 来ました。「なにコラ」ですら四苦八苦した難曲ですが、当初こそ 苦労したものの、最後には学生がしっかりとパワーを発揮してくれ て、気持ちの良い再演が出来たと思います。
合同演奏は大味になりがちですが、老舗のジョイントが同じような レパートリーを反復するのではなく、「東西四連を再び学生合唱の 震源地にしよう」という私の呼びかけに学生が応えてくれた格好に なるのでしょうか!若い才能が作り出した曲(松本望さん)を若い 魂が表現し切ったという会心の演奏だったように思います。 (→パンフ「天使のいる構図2010」

また、7月には大阪の大学ジョイントコンサート(大阪市立大学 合唱団フリーデ、大阪教育大学混声合唱団、大阪大学合唱団TEMP EST、大阪府立大学混声合唱団EWA CHOR)を指揮することが出来ま した。出版間もない(というか出版前からぜひともやってみたい と思っていた)信長先生の「ピアノ連弾と混声合唱のための〜スピ リチュアルズ」を関西初演(という言葉があるのか?)することが 出来ました。これまた学生のエネルギーが炸裂した素晴らしい演奏 となりました。きっと「スピリチュアルズ」を歌いたくなった人が たくさんいるのではないでしょうか?この組み合わせは随分前の 「こいうた(信長貴富)」を思い出させるのですが、練習時から学 生の準備が素晴らしく、彼ら彼女らの気持ちが乗っていることが分 かりましたし、演奏会本番では本当に生き生きとした表情がステー ジに溢れました。

学生合唱の醍醐味は、モチベーション次第で「大化け」すること、 「今、ここでしか出来ない」という学生たちのひたむきさや緊張 感やエネルギーのほとばしりを感じることではないでしょうか? 「…プロならば8割の力で10回の演奏会を要求することになる けど、アマチュア(特に時間が区切られている学生合唱団)は、 1回の演奏会で120パーセントの力を発揮しきる可能性があって…」、 そのことが嬉しくって学生合唱に「のめり込んだ」のが私の師匠 でした。思い返してみると、当時は自分たちの頑張りに対して先 生が真剣に向き合ってくれていたんだなあと思いますし、逆に言 えば自分たちが頑張りたくなるような音楽の導き方をしてもらっ ていたんだなあとも思います。
私と師匠とでは次元が違うのですが、つい自分自身に重ね合わせ て、これからも「まず自分が本気になって取り組む姿勢を見せて、 学生にモチベーションを与えていくことが大事だな」とも思った ものでした。

P.S.
「スピリチュアルズ」の終曲「ブギ」では、パーカッションを加 えてメンバー全員でステップを加えてみました。ステージ全体が 揺れて壮観でした。

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