エントアール2歩目のあゆみ07−03 2007.3.6
創設からご一緒している奈良の女声合唱団「エントアール」にとって2回目になる演奏会を終えました。
楽譜の準備が遅れたにも関わらず団員の皆さんは本当によくがんばられたと思っていますし、課題は山
積ですが、演奏会としてはとても温かい感想もいただき、喜んでいます。 今回のシャンソン・ステージは、パリの空の下、さくらんぼの実る頃、サントワマミー、聞かせてよ愛の 言葉を、サセ・パリ、ラ・メール…、多くの人が耳にしたことのある曲ばかりの定番でしたが、当時の テープを引っ張り出してきて、流れ良く曲を選んでみたのでした。指揮をしていてもとても心地が良く、 思わず口ずさんでもらえるような感じで「音楽の喜び」を客席と分かち合えたと思えたことが何よりで した。 私が最も好きなのは「さくらんぼの実る頃」でしょうか。初夏(5月頃)の歌ですよね。この「若い頃 の恋の痛み」の歌には「パリ=コミューンを鎮圧された痛み」が読み替えられて歌われた時期もあった と聞きますが、私はこれを聞くといつもジャン・ルノワールの「ピクニック」という映画を思い出しま す。木漏れ日の溢れる初夏の森に遊びに来た男女が、木陰に倒れこみ、ぎこちなくも抱擁しあう…、日 差しの当たった女性の目には小枝でさえずる小鳥の姿が映り、頬には小さな涙の筋…。シンプルな筋書 きの短い映画なのですが、つい先日もDVDで見返したところ美しすぎて涙が出そうになりました。昔 好きだったモーパッサンの小説を思い出したりもしますが、「ああ、あんなことがあった…」「こんな 思いをしたことがあったかも…」そう思うと、(多少作り話も混ざった)昔の思い出というのは何もか もが美しく輝いて感じられますよね。そこに手を伸ばそうとしても決して掴みきれないもどかしさが少 しの苦味となって美しさの奥行きを作っているように思います。
さすがに人生経験の豊富な?エントアールの皆様は、練習時から私の雑談を封じ込めるように私の胸を
刺激する歌唱をしてくださいました。歌は心で歌うものでありますが、それに加えて、生きてきた年輪
とか思いの積み重ねが、お酒のように発酵して歌に魂を宿すんだなあと思いながら歌声を味わっており
ました。とても感心したり感動したり、気持ちの良い思いに溢れた楽しい演奏会でした。
P.s |
Top > つぶやく。。
午後のつぶやき2021年 2020年 (8) 2019年 (5) 2018年 (9) 2017年 (7) 2016年 (8) 2015年 (11) 2014年 (10) 2013年 (6) 2012年 (18) 2011年 (21) 2010年 (15) 2009年 (15) 2008年 (15) 2007年 ・07−01 大阪ヴォーカルアンサンブル・・ ・07−02 はづきさんとの・・ ・07−03 エントアール2歩目のあゆみ ・07−04 雨森先生の合唱団との・・・ ・07−05 桃の花、花灯路 ・07−06 再び松江にて ・07−07 畷ジュニアハーモニーフェアウェル・・ ・07−08 シャガールと木の葉 ・07−09 なにコラ第13回演奏会を終え・・ ・07−10 千本ゑんま堂〜わらべ祭りにて〜 ・07−11 宮崎にて ・07−12 京都府合唱祭〜大階段にて・・ ・07−13 藤沢にて ・07−14 感動!合唱劇「どんぐりと山猫」 ・07−15 かえるの季節に ・07−16 アルティ2007 ・07−17 アンジェさんとなにコラ君 ・07−18 いとんとんの夏休み ・07−19 いとんとんの夏休み2 ・07−20 よどこん19回目の演奏会 ・07−21 全日本合唱コンクール終了 ・07−22 今年も松江で締めくくり ・07−23 年末人情風呂 2006年 (4) |