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 宮崎にて

07−11 2007.5.16

まがいなりにも講師として?各県各地方に呼ばれることは本当にありがたく幸せなことです。 幼い頃、実家にあったカレンダーには週末ごとに「宮崎、静岡、高知・・・」など、全国を行脚 していた父親の予定が書いてあったことを思い出します。
私の場合、頻度はありませんし、まだまだ自分自身の修行の場面である訳ですが、たまにでも こうやって呼ばれていくと、ふと父親のことを思い出します。週末ごとに講演会とか全国各地 の集会に出向いていて忙しかった父ですが、逆に各地でいろんな人に囲まれていたんだろうな あと思います。父親はめったにお土産など買って来ませんでしたが、私が小学校2年生の頃、 熊本に行っている父から阿蘇山の絵葉書をもらったことをよく覚えています。昨年はその阿蘇 山のある熊本にいる間中、父の容態を気遣っていたものでしたが、(病床の父親に阿蘇山の絵 葉書を買ってみせると、力ない笑顔で喜んでくれていました。)今年は霧島のある宮崎の合唱 連盟主催の講習会に呼んでいただき、新しい人との出会いがありました。

熊本も宮崎も連盟の方々は本当に人情味に溢れ楽しい方ばかりです。岩津理事長も片山理事長 も、その素晴らしいお人柄には本当に感動してしまいます。そのように考えると、各地に呼ば れての講習会は講師としての役回りというよりも、自分自身の人間修行、音楽修行の場になって いるようで、本当に感謝しています。
今年の宮崎の講習会はコンクールの課題曲集の講習会ではなかったので、コンクール出演に関わ らずさまざまな合唱団の皆さんが来られて楽しい雰囲気に満ちていたように思います。講習会の 中身は下記でした。

○発声のこと→「響き」と「息」について
○和音とカノン(合唱の基礎)
○愛唱曲の練習(Tutira maiは振り付きで歌って楽しかったです。)

itonton-stamp
itonton-stamp 翌日は、片山理事長と末平先生にお付き合いいただいて宮崎の観光地を訪問することができま した。青島〜日南海岸〜飫肥(おび)城を回ってもらった後、片山理事長の妻高校を訪問しました。 今年の1年生が少なくて大変だということをお聞きしていたのでですが、純粋な瞳で一生懸命に 歌を歌っている生徒の姿に胸を打たれました。練習後、私の下手くそな字で色紙にサインなどし てしまいましたが、そんなことなら<可愛い判子>を持っていけば良かったなあと思いました。 また、どこかで再会出来るでしょうか?・・・1年生が増え、合唱団としても素敵な歌声を続けて くれると嬉しいです。
宮崎の一番の思い出となりました。


びいでびいで P.s
ところで、「びいでびいで」という花ご存知ですか?小笠原諸島を中心に春に咲く紅い花です。
日南海岸をドライブ中にこの花を見ることが出来ました。そして、片山先生が鼻歌混じりに歌 われたのを聞いてにわかに思い出しました。北原白秋の詩につけた平井康三郎の歌曲「日本の笛」 のことです。私はこの曲が大好きでこの男声合唱編曲版を「いつかやりたい」とずっとずっと思っ ていたのでした。
(生前の平井先生に問い合わせたことすらあり。近いうちにいよいよ実現の日が来るかもしれません。 紅い花を見て、歌詞を思い出して、本当にどきどきしました。童謡なのに本当にどきどきする歌詞 なのですよね。)

  びいでびいでの今花盛り
  赤いかんざし暁(あけ)の霧
  びいでびいでのあの花かげで
  何とお仰(しゃ)った末(すえ)かけた。
                     北原白秋(「日本の笛」より)
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