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「シーラカンス日和」田中達也

田中達也さんは特異なフォルムを持つテキストに対して、様々な書法を試し つつ渾身の力で対峙されています。優れた才能を持つ作曲家が重要であるこ とは言うまでもありませんが、曲は作られただけではこの世の中に存在した ことにはなりません。本企画の特徴は、決して若手作曲家の紹介ということ だけではなく、緊張感ある音空間を作る客席も含めて、作曲家と指揮者と合 唱団とが互いにこの世に美しい音楽を出現させるために表現上の格闘(共同 作業)することにあるのかと思っています。私自身第一回企画から関与して おり、3回連続出場の「なにコラ」と共に高いモチベーションをもってその 真剣勝負を戦うことが出来ました。
また、それ が再現性ある手段として同日出版されるということも波及的意義 が高いと言えるでしょう。男声合唱界に新たなる名曲が誕生しました。

2014年『ハーモニー 秋号』より
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