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「水のいのち」〜歌声の周辺から〜同志社グリークラブ第93回演奏会より
やさしく降り頻る葡萄色の雨・・。
「水のいのち」はそんな美しい雨の情景から始まる。
ただ、これは水の一生を描いた物語というよりは、主題はあくまでも「水の魂」と
も言えるべきものであろう。水の魂とは決して物質としての水のことでも、その低い
ほうへ流れて行く性質のことでもなく、反対に「空をうつそう」とするものであったり、
「山や空の高みに焦がれる」気持ちであったりするのである。高田三郎はその魂のこと
を「それがあれば生きていけるが、それを失うと死んでしまうもの」と定義しているが、
明らかにこの主題が流転し変容していく人間の生命から漲る「あこがれの気持ち」にも
似たものであることが直感出来る。
この曲は1964年の初演以来、混声合唱の屈指の名曲として多くの団体に歌い継が
れてきている。(福永陽一郎指揮のあのベストセラーレコードのことについては、陽ちゃ
ん先生から何度もお話を伺った思い出がある・・) |