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「東京景物詩」なにわコラリアーズ第9回演奏会明治37年(19歳)東京へと上京した北原白秋は、その後、文芸懇話
会「パンの会」を起こし、処女詩集『邪宗門』に続いて『思ひ出』『東京景物詩』等
の作品を残しているが、特に後者では郷土や幼少時代への愛惜と交差するようにして、
新しくエキゾチックに彩られながら生まれ変わる都会の風景の中に官能的で耽美的で
もある抒情を感じ取っている。 この曲事体は多田武彦にとってわりと近年の作品になるが、往年の 作風を回顧するかのように「歌詞に内在するリズムや抑揚、情緒」が大袈裟でない音 楽として表現されている。優雅でエロチックな隠喩と想像力に満ち溢れた言葉は、時 代や人生の殺伐たる展開の中においても決して失ってはいけない最も大切なもの=『 抒情/リリシズム』と戯れれること、呼吸することを私にも想起させてくれた。まる で、言葉は人が持つそれぞれの痛みにそっと手を当ててくれるくれかのようでもある。 …ちなみに、白秋はこの詩集の後、知られた通りの姦通罪で拘置さ れ、世間の非難と罪の意識を背負って錯乱状態のまま木更津に渡ることになる。やが て、大正2年には俊子と正式に結婚。新生を求め三崎へ移住するのである。(なにわ コラリアーズ第5回演奏会:「三崎のうた」参照:CDも販売!?) 1.あらせいとう 2.カステラ 3.八月のあひびき 4.初秋の夜 5.冬の夜の物語 6.夜ふる雪 |