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タイトルの周辺より・混声合唱のための「うた」・地球へのバラード ・唱歌の四季 ・白いうた青いうた ・夏は来ぬ〜抒情歌 ・もうひとつのかお ・思い出すために ・浪漫歌謡 ・中勘助の詩より ・さすらう若人のうた ・水のいのち ・Kaj-Elik Gustafsson男声合唱作品集 ・壁きえた ・東京景物詩 ・柳川風俗詩 ・Veljo Tormis男声合唱作品集 ・雪と花火 ・ただたけだけ Vol.1 ・天使のいる構図 2009 ・ただたけだけ Vol.2 ・祈りの風景 ・天使のいる構図 2010 ・赤い鳥小鳥 ・天使のいる構図 2011 ・クレーの絵本第1集 ・ただたけだけ Vol.3 ・やさしさとさびしさの天使 ・シューベルトの合唱曲について ・岬の墓 ・わらべうたの風景 ・拍手は人を育てる ・オール三善 ・帆を上げよ、高く ・若き芸術家とのダイアローグ ・ベートーヴェン、君を愛す |
街角のコラージュ〜 「地球へのバラード」の周辺から淀川混声合唱団第9回演奏会より不意に銃声がする さて、昨年に引き続いて谷川俊太郎の詩に関わる曲を選択することになったの
は、決して偶然ではないのかもしれない。 ずぶ濡れで死んでいく小猫、枯れていくけやき、立ちすくむ子供、うずくまる男、
…谷川が切り取ってきた風景は、地球に存在する生命が日常的に遭遇する風景でありながら、叙事
的な広がりと、ドラマチックな情動を孕んでいる。 …三善晃はこの曲についてこう語っている。 ベースの出だしのリズムは、脈打つ生命体の血液が循環する音であろうか。 「ゆ・ゆ・ゆ・…」というフレーズは時間をかいくぐる時にかすかに触れ合う透明な肌と滑らかな 時間の波の音であろうか。和音とリズムの緩やかな交錯はもどかしい感情そのものではあるまいか…。 言葉と音に無数のイメージを抱きながら、最終的に我々は、1曲目のタイトル「私が歌うわけ・・」 があんなにも、こんなにもあるんだという事をたっぷり噛み締めてこられたように思う。 この曲の音楽的スケールが、我々のような未熟な合唱団ではなかなか太刀打ち出来 ないほど大きなものであるという課題はともかく、我々にとって大切なのは、耳を当てたら心臓 が動いている…ような音楽を作ろうとすることである と思っている。 |