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「壁がきえた」頃 〜「白いうた・青いうた」より〜なにわコラリアーズ第4回演奏会・・そう言えばその秋、僕らはテレビを観ながら手作りの芸術評
論誌の製本に追われていた。
さて、本日の第3ステージ「壁きえた」は、我々男声合唱団にとっては願ってもな
い素敵なレパートリーである。
谷川雁のこれらの詩の中に皮相的な風刺や寓意ばかりを読み取るのは面白くない。
万華鏡のような不思議に満ちた舞台設定の中で、詩の中の主人公たちは、喪失の情
(孤独感)をぐっと胸に堪えたまま故郷から逃れ、当ての無い旅を続けているようだ。 ・・とは言え、メロディーのとびっきりの美しさ・・、血の滲むよう
な言葉の強い抒情性・・、そこから膨らみ出した世界の豊かさの前には、全ての解説は
虚しい。 |