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タイトルの周辺より・混声合唱のための「うた」・地球へのバラード ・唱歌の四季 ・白いうた青いうた ・夏は来ぬ〜抒情歌 ・もうひとつのかお ・思い出すために ・浪漫歌謡 ・中勘助の詩より ・さすらう若人のうた ・水のいのち ・Kaj-Elik Gustafsson男声合唱作品集 ・壁きえた ・東京景物詩 ・柳川風俗詩 ・Veljo Tormis男声合唱作品集 ・雪と花火 ・ただたけだけ Vol.1 ・天使のいる構図 2009 ・ただたけだけ Vol.2 ・祈りの風景 ・天使のいる構図 2010 ・赤い鳥小鳥 ・天使のいる構図 2011 ・クレーの絵本第1集 ・ただたけだけ Vol.3 ・やさしさとさびしさの天使 ・シューベルトの合唱曲について ・岬の墓 ・わらべうたの風景 ・拍手は人を育てる ・オール三善 ・帆を上げよ、高く ・若き芸術家とのダイアローグ ・ベートーヴェン、君を愛す |
「天使のいる構図」に寄せてThe Premiere Vol.1 よりもうかれこれ20年も前の学生時代のことになります。1か月間に渡る ヨーロッパ演奏旅行(同志社グリークラブの学生指揮者として)の途中、 オフの一日をベルンのクレー美術館(旧)で過ごしたことがありました。 クレーのバイオグラフィーに沿った展示を順番に回りながら、迷路のよ うな美術館をどきどきしながら階下へ降りていくと、やがて戦争に伴う 苦悩や病による苦痛の時代を経て、最後の三室くらいの行き止まりの部 屋に辿りつきました。そこにはシンプルな線だけによる「天使の絵の 連作」が並べて飾ってあったのです。「クレーの日記」をも愛読してい た私は、雨の日の平日、観客もまばらな美術館で立ち尽くしながら過ご していたことを思い出します。時空を超えてクレーの絵画からつむぎだ された言葉、そしてその言葉から触発された松本望さんの素晴らしい音 楽、その循環のリレーバトンを受け継ぎ、それを塊ようなメッセージと して歌い切ることで、この曲をこの世に産み落とすことに参画出来ること を嬉しく思っています。男声合唱のみが表現し得る「不幸と幸福」があ るように思います。生きていることの「苦痛と憂い」、そこへ向けられる 「まなざしと励まし」、…それらを力いっぱい表現したいと思います。 |